有名人の葬式に参列

あるミュージシャンの葬儀に参列したことがあります。
ネットニュースで突然の死を知った時は本当に驚きました。

私はファンを離れて久しかったので、闘病生活していることも知りませんでした。

葬儀は東京で私の家は大阪、当初参列する気など全く無かったのですが、私より熱狂的なファンだった姉が「どうしてもついてきてほしい、交通費は出すから」とのことで、しぶしぶついて行きました。

会社には「知り合いの葬式」ということで有給休暇をもらいました。

会場は浄土真宗の大きなお寺で、焼香に訪れたファンの長い行列ができていました。

彼の激しい演奏や奇抜な衣装が好きでしたが、葬儀はいたって普通にしめやかに行われていました。
泣き崩れるファンもいて、とにかく明るくド派手だった彼のイメージとはかけ離れた雰囲気で、私は何だか居心地の悪さを覚えました。

白黒の葬式幕や菊と、お経と、壇上の彼のちょっと日本人離れした笑顔の遺影、飾られたエレアコ、何だか全てがちぐはぐで、私は違う意味で悲しくなってしまいました。

しかし、式の最後に彼のヒット曲をファンの皆で歌う時間が設けられており、久々に彼の曲を歌った時は、彼のライブの思い出がブワッとよみがえり、胸が熱くなりました。

暗かった会場の雰囲気が一転し、ライブの楽しい感覚が一瞬ですが蘇ってきた感じでした。

姉は終始すすり泣いていて、式の後に感想を聞いたのですが、意外にも「もうミュージシャンの葬式には参列したくない」ということで意見が一致しました。

滞り無く行われた葬儀にはいたるところでファンへの配慮が感じられて非常に優しい感じだったのですが、とにかくロックミュージシャンと日本型の葬式は噛み合わないのです。身を持って実感しました。

次に大好きなミュージシャンが亡くなった時は、心のなかで静かに感謝して送りたいと思います。