葬儀の主役は誰なのか

実は葬儀についてちょっと迷っていることがあります。
いますぐ解決しなければならないというような迷いではないのですが、私の父親のことなのです。

父親はすでに80代の半ばを過ぎた年齢になっているのですが、まだまだ仕事も現役でバリバリとしているような壮健さを持っています。

しかし、高齢になっていることも事実でありますし、心臓に持病を持ってもいます。
すでに母親はかなり前に他界していますので、父親にもしものことがあれば葬儀を仕切るのは長男である私の可能性が高いということになります。

困っているのは父親が自分の葬儀を密葬のような簡素なものにして欲しいと言っていることなのです。
テレビや雑誌などで家族葬や密葬のような小規模な葬儀が多くなっているのはもちろん知っています。
ですが、私の親類縁者や知人の葬儀などで、家族葬や密葬のような小規模な葬儀を行ったという例はあまり聞いたことがありません。
ほとんどの葬儀が今までのような、なるべくたくさんの参列者を集めるようにする葬儀ばかりです。

しかし、父親が述べているように、死んだ人間に対してそのような大金を使ってまで大げさな葬儀をする必要はなく、本当に近しい人だけで見送ってくれれば十分だ、というのはまったく正論としか言えません。
否定することは難しいのです。

ただし、父親の実家は郊外の田舎の方なので葬式は大規模にやるほうが普通です。
それを考えないで、家族葬や密葬のようなことをしていいのかどうか迷うのです。

考えてみれば、葬儀の主役は故人であることは間違いないので、故人の希望を尊重するのが重要です。
田舎の葬儀では葬儀の主役はどちらかと言えば、残った遺族のような葬儀のやり方であるといえるのかもしれません。