葬儀社という仕事を初めて間近で見た瞬間

葬儀というものは人生においてそう経験するものではありません。
したがって、それぞれの人によって葬儀というものの形が違ったりすることもあるでしょうし、それに対して印象も違ってくるのではないでしょうか?

以前、私は祖父の葬儀に参列したときに、孫という立場だったので、それまでに参列した葬儀とは全く雰囲気が違いました。

祖父の息子で、私の母親の弟である叔父さんが葬儀社に連絡をして、打ち合わせをしているところから見ていました。
それまでの葬儀は友人の両親の葬儀など、他人として参加していたので、そういった舞台裏のようなものは見る機会はありませんでした。

しかし、葬儀が執り行われる日までのかなりの部分の仕事ぶりを見ることができて、それまでほとんど何の印象もなかった葬儀社へのイメージががらりと変わりました。

故人の最後のために必死で動いてくれている姿を見たのもありますが、1番印象的だったシーンがあります。

お葬式の当日に叔父さんが父親の思い出を手紙に込めて参列者の前で読んでいたのですが、その場にはずっとそれまで一生懸命動いてくれていた葬儀社の方もいました。
その人が、思わず泣き出してしまっていたのです。

叔父さんの書いた手紙の内容も素晴らしかったと思います。
でも、全く赤の他人のお葬式で泣き出してしまう人がいるんだなと思って、それくらいに他人事は思わず、一生懸命この日のために頑張ってくれた人を本当に感謝の思いでいっぱいでした。

本当に良いお葬式だったと思えましたし、普段滅多に見られない職業の人たちの働きぶりを見て、葬儀社や葬儀に対する感覚が良い意味で変わった瞬間でもあります。
彼らの協力なしでは、こういったお葬式はありえないのでしょうから。